「月とライカと吸血姫」林原めぐみが紅の瞳で先行上映会に、イリナを任された理由語る
TVアニメ「月とライカと吸血姫(ノスフェラトゥ)」のオンライン先行上映会が去る9月4日に行われ、イリナ・ルミネスク役の林原めぐみ、レフ・レプス役の内山昂輝、アーニャ・シモニャン役の木野日菜、横山彰利監督が登壇した。
アフレコが終わってから、約半年ぶりに集結したというキャスト陣。林原は役に合わせ、紅色のカラーコンタクトを着けて登場する。この日配信された第1話と第2話をすでに鑑賞済みの内山は「すぐに第3話が観たくなるエンディングだった」とコメント。木野はコロナ禍でキャスト全員揃ってのアフレコができなかったことに触れ、「ほかの人の声や音楽が合わさると、こんな印象になるんだ!」とうれしそうに感想を述べる。その後も視聴者たちの期待を煽りつつ、林原のフリで先行上映がスタートした。
第1話と第2話の上映後には横山監督もトークに参加。横山監督はレフとおそろいのウシャンカ(ロシア帽)を被って現れ、会場に笑いを起こす。また横山監督はスタジオから持ってきたという美術ボードや設定資料を披露。「(設定考証の)松浦晋也さんの協力によって、パラシュートの降下訓練の高度や月齢などまですべての話数で設定を考えています」と明かし、内山を「想像していた以上のことが行われていた」と驚かせた。
話題はそれぞれのキャラクターの印象へ。林原はイリナについて「今、私に依頼がきたのは、(イリナが)ただの少女ではなく背負ってきた苦しみがあり、その心のひだの部分を託されたから」と述べ、「レフとの交流でだんだんと和らいでいく、その過程が楽しい」と語る。またイリナの話題から、内山は第1話と第2話で描かれた食事シーンに言及。内山が「イクラを食べるところのこだわりがすごかった」と感嘆すると、横山監督は「味覚がなく、触感がメインであるイリナに特徴を持たせたかった」と演出意図を明かした。
もう1人の主人公、レフを演じる内山は「押しつけがましくないいい奴なので、バランス感覚を保って人間らしくなるように演じました」とコメント。林原は「内山くんの仄暗い感じがレフのイメージと合致した」と、木野は「内山さんの声から温かさが溢れていて、頼りがいがある」と賞賛する。木野はアーニャについて「嘘をつかない子なのでまっすぐに演じました」と述べると、林原が「逆に丁寧に扱われないことで研究物に対する愛情を感じました。癒される存在です」と印象を語った。
ほかのキャラクターについて内山は「おじさまキャラがこれからどんどん活躍していく」とアピール。横山監督はその中でも宇宙船の設計技師長のコローヴィンに注目してほしいと話す。林原はどのキャラクターの名前も普段なかなか口にしない語感のものと言い、「名前を呼ぶことで作品の世界観、重たさが作られていくところにも注目してほしい」とポイントを提示。木野は「ローザやナタリアといった女性キャラも、どんどん面白さが出てくる」とにこやかに語った。
公開中のPVを見た後は、今後の展開について語ることに。林原は「人間と吸血鬼という関係だけでなくレフとチームのメンバーたちとの関係がどうなっていくのか」が楽しみな点であるとしながら、「楽しいファンタジー作品ではあるものの、政治的な部分を軸にいろいろなテーマが派生していく、その内容を感じ取って、見た後に楽しさ以外にも何かざらっとしたものを感じていただければ」と見どころを紹介した。
内山は第2話でも描かれた宇宙飛行士の訓練に触れ、「訓練を積み重ねて計画を成功に導けるのか、そして1人だと弱いレフたち個人が、組織や国といった大きな存在にどう立ち向かっていくのかも楽しみにしてください」とコメント。木野は「人と人との関わり」が「月とライカと吸血姫」の最大のポイントだと言い、「第2話のラストで描かれた怪しげな存在が誰なのかも楽しみ」と気になる点を視聴者にアピールする。横山監督は「最初は宇宙開発がメインテーマだと思っていましたが、制作しながらキャラクターの恋愛に軸足を置くようになりました」と心境の変化を告白し、「宇宙開発がベースのストーリーですが、恋愛ものとしての見方もあるので、思い思いの楽しみ方をしてください」と締めた。
なおオンライン先行上映会では、木野がパーソナリティを務めるWebラジオ「月とライカと吸血姫 ~アーニャ・シモニャン・ラジオニャン!~」が9月17日にスタートすることも発表。初回ゲストの内山は「木野さんの個性が爆発した内容なので、詳細は聴いて確かめてほしい」と呼びかける。さらに放送情報の詳細も明らかになった。
最後に木野は「毎週の楽しみの1つになってくれたら」と挨拶。内山は横山監督の明かした設定に触れ、「新たな発見があったので、オーディオコメンタリーでマニアックな理系トークが聞きたい!」と希望した。林原はナタリア役の井上喜久子から「キュンキュンしたよ!」と言われたことを明かし、「監督がおっしゃるように恋愛ドラマな一面もあるので、キュンキュンしながら楽しんでください」と述べる。横山監督は自身で作りながらも、内容に涙を流した回があることを明かし、「いい作品ができたと思っています。青年と女の子が出会って世界を変えていくというお話を楽しく見てほしい」と語った。
TVアニメ「月とライカと吸血姫」
放送情報
テレビ東京:2021年10月3日(日)より、毎週日曜25:35~
BS日テレ:2021年10月4日(月)より、毎週月曜23:00~
サンテレビ:2021年10月4日(月)より、毎週月曜24:00~
KBS京都:2021年10月4日(月)より、毎週月曜24:00~
配信情報
dアニメストア:2021年10月4日(月)より、毎週月曜24:30~
※その他の配信サイトでも配信予定。
スタッフ
原作:牧野圭祐「月とライカと吸血姫」(小学館ガガガ文庫刊)
キャラクター原案:かれい
監督:横山彰利
シリーズ構成:牧野圭祐
キャラクターデザイン:加藤裕美
助監督:川口太詩
美術監督:金子雄司
美術デザイン:平澤晃弘
プロップデザイン:岩畑剛一、鈴木典孝、ARVO-DESIGN
色彩設計:松山愛子
撮影監督:今泉秀樹
編集:廣瀬清志
音響監督:濱野高年
音楽:光田康典
オープニング主題歌:ALI PROJECT「緋ノ月」
エンディング主題歌:Chima「ありふれたいつか」
制作:アルボアニメーション
キャスト
イリナ・ルミネスク:林原めぐみ
レフ・レプス:内山昂輝
ミハイル・ヤシン:日野聡
ローザ・プレヴィツカヤ:小松未可子
アーニャ・シモニャン:木野日菜
スラヴァ・コローヴィン:土師孝也
ヴィクトール中将:てらそままさき
ナタリア:井上喜久子
フョードル・ゲルギエフ:緒方賢一
リュドミラ・ハルロヴァ:M・A・O
ナレーション:東地宏樹
(c)牧野圭祐・小学館/「月とライカと吸血姫」製作委員会